第40回「手作り米麹」

投稿日: 2015年02月28日(土)15:19

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メグーです。
寒い寒いこの季節。我が家では、毎年この季節に味噌作りをしています。
そして、味噌作りをするための米麹作りも。
毎年、この作業は夫の仕事。私は隣でハナウタをうたっていれば、それでよかったはずなのに。
「作れば、めぐみごはんに書けるやん」
・・・くっ!寒い時期に採れる食材がなく、ネタに困った私を見てニヤリと笑う夫。
今回のめぐみごはんは、味噌作りに欠かせない「米麹作り」をお送りします。

米麹作り。
失敗すれば、キロ単位の米がごみと化す恐ろしい作業。
買えばいいジャン!そんなチャレンジしなくていいジャン!お手軽スーパー最高ジャン!と私などは思うのですが、夫いわく「米麹から手作りすることで、自己満足度が高く、わが子のようにかわいいお味噌が出来上がる」との事。
ほうほう、ならば作ってみよう、そうしよう。
夫の指示に従い、米麹作りの準備をします。

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必要なもの(使う道具は使用前に焼酎で拭いて消毒)
・お米(3キロ)
・麹菌(5~6グラム)
・大きな蒸し器、圧力鍋など
・段ボール(みかん箱など分厚いもの)
・米袋
・プラスチック段ボール
・消毒用の焼酎
・粉ふるい
・ボウル
・毛布や布団
・電気アンカ(漏電の危険があるため、おすすめはできません。湯たんぽなどで代用可)
・温度計

米麹作りで面倒なのは、まずは上記の材料をそろえること。
大きな蒸し器は義実家から貸してもらいましたが、3キロも入りきらないので、我が家は圧力鍋も用意。
プラスチック段ボールはホームセンターで400円くらいです。

そして、日程!3、4日目は温度調節が必要なので、できるだけ空いている日を選びます。

【1日目 夜】
・お米を洗って水に漬ける
【2日目 朝】
・お米の水をきる
・お米を蒸す
・麹菌を混ぜる
・保温(30度に保つ)
【3日目】
・朝 お米を混ぜる
・夕 お米を混ぜる
【4日目】
・3時間おきに温度を管理
・夜、壁に立てかけて一晩冷ます
【5日目】
・完成!

さて麹作りに向けて、まずはお米をしっかりと洗い水に一晩つけます。
翌日、ざるに上げて1時間ほど水を切り、ふきんでくるんで1時間かけて蒸します。
そしてお米が蒸しあがるのを待つ間に、使う道具の準備に取り掛かります。
道具はすべてアルコールで拭いて除菌。お米と麹菌を手で混ぜるので、手もしっかり消毒します。
お子さんのいる家庭では、子どもをお米に近寄らせない為のDVDの準備もしたほうがよいです。

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蒸しあがったお米をプラスチック段ボールの上に広げます。
麹菌は50度くらいの温度で死んでしまうそうなので、手で触って少し熱いくらいの温度になったところを、夫が麹菌(5グラム)を粉ふるいでパラパラ。
全体に菌がまわるようにしっかりと混ぜ、お米が冷めないうちにボールを使って米袋に入れていきます。

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DVDを見せて椅子に座らせておいたはずの息子が「ジェリー!ジェリー!(トムとジェリーにDVDを変えろ!)」とぐずってるのを完全に無視。
貴様にかまっている暇などない!こちらは3キロの米がかかっているのだ!
温度計をセットし、米袋を毛布でぐるぐる巻きにします。

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米袋を段ボールに入れ、電気アンカを乗せ、さらにその段ボールを半纏でくるみます。
このあたりから何か子育て感がうまれますよ。
最後にベビー布団にくるんで「風邪ひくなよー。あったまるんだぞー」と声をかける夫。完全に子ども扱い。

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ここでやっとひと段落・・・。脱力感で、ここからはしばらく(後片付け&息子&米袋を)放置します。

麹菌を発酵させるのに最も適した温度は25~30℃くらい。
「ほんのり温まっているか、熱くなりすぎていないかを、時々チェックしてね」と夫。
はいはーい!と返事はしたものの、こういう温度管理みたいなのは滅法苦手。夕方、家に戻ってきて温度をチェックする夫から「ちょっと冷たいよ!温まってない!」「さむいさむいって泣いている麹の声が聞こえないの?」とダメ出しが。
「聞こえないよ、麹の声が聞こえるとか、それ幻聴だよ?」と軽くジャブを放ち、話し合いの結果、温度管理は夫、記事を書くための楽しい作業は私、と勝手に決定。
米袋を裏返したり、電気アンカの位置を変えてみたり、ちょこちょこと温度管理する夫。

そして翌朝6時、夫に叩き起こされる。
「子供たちが起きてくる前に、麹ちゃんをかき混ぜてあげなきゃ!」
もう完全に主導権は夫。
寝ぼけまなこでノソノソと起き、言われるがまま手を消毒し、プラ段の上に広げられた米麹の赤ちゃんを、ざくざくと混ぜます。

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ちょっとだけ白く固まってきてて、ワーイ!とほっこりする私に「もっと、ほらそこの塊もちゃんとほぐさないと菌がまわらないよ!」と夫。
「アイアイサー」と返事をし、混ぜたお米を再び米袋に。
あまり分厚くすると、中まで菌がまわらないそうなので、できるだけ薄く。
薄くしようとギューギュー押さえたら怒られた・・・。

そして夕方の6時。朝と同様に混ぜます。
ちらほらと菌がまわってモワモワしている様子に嬉しそうな夫。
なんていうか、米麹作りは料理とは違う「育ててる感」があるようです。
一方、同じ作業の繰り返しに飽き気味の私。
米だらけのプラスチック段ボールを前に「なんて手のかかる子なの?お母さん、もう知らない!」と子どもに言ってはならない言葉が、チラホラと頭をよぎります。

麹作りもいよいよ大詰めの4日目。

「今日は3時間おきに温度をチェックする。そろそろ麹自体から熱が出てくるから、様子を見て電気アンカをはずしたり、毛布もはいでやってね」と夫。
はいはーい!と返事はしたものの、こういう温度管理みたいなのは以下略。
麹自体から熱が出てきて、温度計を見たら50度に達する勢い。あわてて電気アンカをはずし、半纏を脱がせたり、あれこれ調節(夫が)。
昼下がり、日向ぼっこをして眠る麹菌とパン(一次発酵中)と息子。
息子以外は菌なのに、3人の子供を抱えているような気持。

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そして翌朝・・・

できました!
ちゃんとモワモワ固まってます。
ほんのりいい匂いがしてます。3.5キロの米麹が完成!

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わー、やったー!これで毎回道具をアルコール消毒(面倒くさい)したり、米粒まみれのプラスチック段ボールを片付けたり(面倒くさい)、こまめに温度をチェックする(ほとんどしてない)から解放されるー!
美味しい甘酒つくる!ウフフフフ!!
塩麹も作ろうかな、パン種に挑戦するのも楽しそう!と、俄然やる気の私に夫が一言。
「今年は味噌の他にも色々と作りたいものがあるから、ほとんど残らないよ」
そんな!ひどい!と言い返したいところだけれど、麹菌のお世話をほとんどしなかった私に使い道に口出す権利はかけらもない・・・。
美味しい甘酒・・・飲みたかった・・・。

豆腐、納豆、米麹作りと、あれこれやって思ったのは、うん、私にはこういう実験系?は向いていない!と言うこと。
パーッと作って、パーッと食べられる方がテンションがあがります。
結論しょぼくてごめんなさい。
でも手作り麹、自家製味噌などに興味がある人は、挑戦しても面白いかも。我が家は麹作りは3年目。
ズボラな温度管理で、温度が低かったり、50度近くまで熱くなったりしてる割に一度も失敗していないので、面倒くさがりでなければ、それほど難易度は高くないように思います。

さあ、次はお味噌!
これも手間のかかる作業なので、やはり夫に押し付けるつもり。
めぐみごはん「味噌作り」はM子さんが、書いてくれるのかな?と勝手にバトンタッチ。

M子さん、よろしくお願いします~!